人工ダイアモンド界隈が騒がしい。中国との関係悪化で、人工ダイアモンドの供給がおぼつかないからだ。日本は製造ノウハウは有るものの安価に製造することは出来ない。おりしも、アメリカとの関税交渉の取引材料として支払われる80億円の投資要件の一つとして、人工ダイアモンドの製造検討が盛り込まれた。

人工ダイアモンドの用途は、装飾用は勿論、その硬さや熱伝導の高さ透明度などの特性を活かした工業用としての一面もある。中でも半導体ウエハーの研磨や切断にはなくてはならない。AI用半導体争奪戦が激化しているが、これがなければ製造出来ない。それはすなわち経済的に大ダメージを誘発するということだ。中国との状況を踏まえると、供給路の確保は待ったなしだ。

現時点の製造方法は、自然で生成されるダイヤモンドと同じ程度の熱と圧力をかけて、ダイヤモンドの小片を大きく成長させる方法(HTHP法)と、真空の容器にメタンガスを封入してプラズマ状態にしダイヤモンドの小片に蒸着する方法(CVD法)の2種類。この度の技術検討により、新たなブレークスルーが喚起されることを期待したい。仮に安くて性能の良いものが作れるようならば、他国に売り込むことさえ可能だ。災い転じて福となす。イノベーションは起こるか。