
人生を本気で変えたかったら、『歩くマジで人生が変わる習慣』をお勧めしたい。何故なら、この本には人間本来の生きざまについて語り、そして人間がいかにそこから離れた生活をしているか解き、本来の姿に回帰することを勧めているからだ。本来の生き方とは自然を歩くことだ。歩くことは沢山の副産物をもたらす。健康になる、アイデアが浮かぶ、考えがまとまるなどだ。スティーブ・ジョブズやザッカーバーグなどの世界に革新をもたらしたカリスマ達も、散歩の重要性を説いている。
著者のこだわりは、正しい歩き方を極めることに行き着く。そして、理想的なフォームで歩くにはそれにふさわしいシューズが必要だという結論に辿り着く。踵の部分が高くない、ソールが柔らかく足裏が動き易い靴が究極の履き物であることに気がつく。実に合理的だが裸足に出来るだけ近づけた形が理想という訳だ。アルトラという小さなメーカが世界で初めてその理想の靴を世に出した。ナイキやアディダス、ニューバランスなどメジャーリーガー相手に直球で勝負をしかけ、一目置かれる存在になった。愚直に理想を追い求めて、夢を達成した人達のドラマには感動する。
この話の行き着く先は、意外にも幸福論だ。現代人の自然からかけ離れた住環境が、人間本来の幸福を失わせたのではと問う。本当に大事なこと大事なもののみを選ぶことで、研ぎ澄まされた感性を振るわせ、魂が報われることにより幸せな充足を得るというのだ。例えば、自然の中で生死を分けるような状況に遭遇し、その打開に全ての能力を出し切ること。そこで本来の生物としての究極的な幸福感を味わえると唱える。
幸福になりたかったら、頭を使うこと。頭を動かすには体を使うこと。そして歩くこと。
トレッキングが趣味の著者が、歩くことにとことんこだわり、自然の中を歩くことで味わえる至極の幸せを綴った。一風変わった幸福論だが共感出来る。
