

<アティカス・プュント>シリーズと言われても、あまりにも前に読んだ作品だけに、まずは遠い記憶を呼び起こすのに四苦八苦する。結局最後まで、思い出せたのかどうか怪しいほどだ。とは言え、この物語自体は前作とは関係ない(おそらく)ので、気にする必要はない。
ホロビッツお得意の、物語の中に物語が入る入れ子構造は、初めて読んだときほどの感動はないが、発想の素晴らしさには感服する。入れ子になった物語の方はピュントの巧妙な推理が展開され、犯人特定へと着地する。一方、その物語を含包する物語は現実世界であり、並行して事件が進行する。入れ子の方の事件とその進展が、現実世界の事件とその犯人を示唆するという仕掛け。若くない私の頭では、あらすじを追うだけで精魂尽き果てたというのが正直な感想。そもそも、登場人物が多くて辟易する。なにしろ、入れ子の物語と現実世界の登場人物がそれぞれオーバーラップしている訳で、それだけで十分複雑。とても名前が覚えられない。 また、<ホーソーン&ホロビッツ>シリーズの軽快さが好きなだけに、物足りなさを感じた。
