西洋絵画、どこからみるか?

国立西洋美術館で開催されている、『西洋絵画、どこからみるか? サンディエゴ美術館 vs 国立西洋美術館 』という企画展を観て来ました。平日ということもあり、観客はまばらでゆったりと自分のペースで鑑賞出来ました。ゴシック、ルネサンス期から始まって、バロック、ロココ、印象派に至るまで時代を追った展示形式は慣例通りではあるが、これが一番わかり易くてしっくりきます。テッティアーノからモネまで、両国を代表する美術館のレパートリーの広さを、これでもかと見せつけられました。
作品は比較的小さなグループに分類され、丁寧な説明文が添えられており、平易でわかり易く勉強にります。肩肘はらずに楽しみ学んで欲しいという主催者の心意気が感じられます。
今回の展覧会の企画は、国立西洋美術館とサンディエゴ美術館との対比がサブテーマとしてあり、同じ作者で両館所蔵の絵を横並びで比較するような試みがされています。また、新古典主義のアングルとロマン派のドラクロワ、フィレンツェ派とベネチア派、ドガとロートレックの裸婦、ゴリアテの首を持つダヴィデの構図、花環の中の家族の色彩、など至る所で比較が行われ、知識の整理をして頂けているようでありがたかったです。

その他、ジョットのテンペラ画《父なる神と天使》、ジョルジーニョをはじめとするヴェネツィア派の細密な描写、アングル、フィエロムス・ボス、グランドツアーのお土産品ヴェドゥータ(=都市景観画)としてのベルナルド・ベロット《ヴェネツィア、サン・マルコ湾から望む岸壁》、スペインの画家フアン・サンチェス・コターンの写真の様な静物画(ボデゴン)、キュビズムのブラック、フランス・ハルスの肖像画、ルーベンス《眠る二人の子供》というそうそうたる布陣が続き、最後の締めはモネの睡蓮が務めます。
その中でも気に入ったのは、ホアキン・ソローリャ《ラ・グランハのマリア》、ウィリアム=アドルフ・ブーグロー《小川のほとり》といったところでしょうか。
楽しめたのは勿論のこと勉強になりました。

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