モネ 睡蓮のとき 

日本人の人気では5本の指に入るであろうモネの展覧会に行って来ました。

平日の昼にも関わらず会場の前には行列が出来ており、モネへの関心の高さが伺える。

会場に入ると最初にモネの年代記がパネルで紹介されていた。晩年になっても精力的に作品を発表していたことが分かる。モネの代名詞である睡蓮の連作は60代になってからの作品だ。対象的に若い頃の作品は存在感が薄い。今回の展覧会の趣旨が睡蓮を中心に据えていたからなのか、そもそもモネという画家が晩成の人だったのか。再び年代記に見返すと、1974年(34歳)のとき、『印象・日の出』と言う作品を描き、これが代表作とされている。これが印象派の名前の由来となった。必ずしも晩成では無かったかの知れないが、年齢に伴って右肩上がりの生涯であったことが伺える。

展示は年代を追うように陳列されている。題材は一貫して自然をモチーフにしたものであり、緑と橙色を好んで使われているように感じる。勿論、そんな単純なものではない。複雑に混ざり合った色彩が、カンバスを自由奔放に優雅に力強く踊る。一人の画家のみの作品で壁を埋める展覧会は、東京ではあまり多くない。短調で飽きることを懸念したが杞憂だった。年齢を重ねる毎の変化を目の当たりにし、最後の作品まで気が抜けない程の緊張感で鑑賞することが出来た。

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